ちなみに私は、村上春樹の熱狂的なファンではありません。
「ノルウェイの森」「羊をめぐる冒険」「1Q84」は読んだ事があるけど、いつも「面白い!」と思う部分よりも、「なぜそこで???」という疑問が残る事が多い印象でした。
さらには、国語の点数はいつも悪く
「作者の気持ちを○字以内で説明しろ」という類の設問がニガテでしょうがなかった記憶があります。
そんな私が、村上春樹・原作の「ドライブマイカー」を劇場で見たくなったのは、ちょうど心身が疲れて会社を辞めたタイミングの、ほんの気まぐれでした。
(村上春樹が原作、というのも直前になって知ったし、ほかに事前情報もなかった)
地元・広島の映画館「八丁座」の窓口に並ぶまでは、広島がロケ地だったのを知らないほどでした。


【ネタバレなし】ドライブマイカーを映画館で見た感想
「ドライブマイカー」を映画館で見た感想は、こんな感じです。
- 「いま、生きる事が辛い」と思う人には強いメッセージ性がある
- 「大事な人を失った事がある」人は強く共感できる
- 1人で見にいくのがオススメ
「いま、生きる事が辛い」と思う人には強いメッセージ性がある
「ドライブマイカー」を見に行った時、私は心身の疲労がたまり、会社をやめたタイミングでした。
家でも会社でも、なんだか息苦しいような
幸せなこともたくさんあるのに、嫌な事ばかりに目がいき、その嫌なことが増幅するような感覚で、毎日を過ごしていました。
「ドライブマイカー」では、舞台で演じる役者のセリフに、強いメッセージ性が込められています。
私たちは生きていきましょう。
そして最期に「私たちは、苦しみました」と言いましょう。
そうすれば神様も憐れんでくれるでしょう
(1字一句じゃないけど、こんな内容のセリフでした。)
特に手話で表現されるシーンが、実際に言葉を紡ぐよりも、心に強く残りました。
「大事な人を失った事がある」人は強く共感できる
主演の西島秀俊さん演じる「家福(かふく)」は、妻をはじめ、大事な人を突然、病で失ってしまいます。
「あの時、こうすれば良かった」
という後悔は、残された人間には、その後の人生にずっと、深く残り続けます。
「あの時、早く家に帰っていれば…」「あの時、早く救急車を呼んでいれば…」
その後悔の末、大事な人を失った=自分が殺したんじゃないのかと、思ってしまう。
それでも、先ほど触れたように「生きなければいけない」という苦しさと繋がっていきます。
1人で見にいくのがオススメ
村上春樹の作品には、愛し合うシーンがふんだんに盛り込まれています。
映画では、すごく綺麗なシーンだったのですが、やはり身内やパートナーと見にいくのは恥ずかしいかも。
(昔、家族とテレビで金曜ロードショーを見ている時にあった、気まずいやつ)
あ、西島秀俊ファンとしては、肉体美を心ゆくまで堪能できます(笑)
西島さんを愛でるには、最高の作品です!!
感想まとめ
村上春樹の作品を読んだ時によく感じる「あとはご想像にお任せします」というか、小気味良い余韻が残りました。
最後のシーンは、どんな状況なんだろう…と想像してみたり。
愛し合う=(生命とかを問わず)新しいものが生まれる象徴なのかな?とか。
「補聴器をした時にような、静けさの強調」というセリフがあって、その後で無音のシーンがあったけど、繋がっているのかな?とか。
さっき「1人で見に行った方がいい」って言ったけど、2人で見に行ったら、こういう時に語り合えるのかな〜?と思ったりしました。

ドライブマイカーを見た後で、歩いていけるロケ地に行ってみた

ドライブマイカーは、広島で多く撮影されていて、その多くは「平和公園」の近くで撮影されていました。
平和公園ちかくの地下街「シャレオ」では、ドライブマイカーのパネル展もありましたよ。
2022年2月25日~3月10日、3月16日~31日まで開催されているみたいです。
地下のパネル展から徒歩で約3分のところに、平和公園があります。


平和公園にはよく来るけど、映画を見た後で「ロケ地」として見てみると、また違った見え方がありました。
(今度は好きなマンガの聖地巡礼とかもやってみたい)
家に着き、このようにブログで書き留めた後は、
原作が含まれている「女のいない男たち」を読んでみようと思います。
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