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【花子くん】エソラゴト編で伝えたいのは〇〇!有名作品との繋がり?【考察】

「地縛少年花子くん」ストーリーの中でも人気が高いのがエソラゴト編。

花子くんが今時の高校生の姿をしていて、青春している!という感じが読んでいて楽しいですよね。

しかし、エソラゴト編で伝えたかったことってなんだろう?とモヤモヤして、何度も読み返してしまいませんか?

そこでこの記事では、エソラゴト編について考察した事をまとめてみました。個人的な考察として、楽しんでいただけると嬉しいです^^

目次

花子くんの呼び方に注意すると面白い

エソラゴト編にて花子くんは、柚木あまねとして、生きた人間として、そしてヤシロの同級生として存在しています。

ヤシロ「花子くん!?」
あまね「あまねくんなんですけど…」

MARU

過去にも何回か出るこのやりとり、好き(笑)

花子くんは普段、ヤシロの事をカタカナで「ヤシロ」と呼んでいます。一方で、エソラゴト編では「八尋さん」と漢字+さんで呼んでいます。

しかし、エソラゴト編を読みすすめていくと、花子くんの呼び方が八尋さん→ヤシロさん→最終的には「ヤシロ」になってるんですよね。

おそらく、演技している花子くんは「八尋さん」

花子くんが上手く演技できず、本音が入ってる時は「ヤシロさん」

最後にバレちゃったな〜で「ヤシロ」と使いわけをしているのだと思われます。

なぜミツバと花子くんが主人公なのか

エソラゴト編が始まるキッカケは、ミツバ君の歓迎パーティーでした。

晴れて(?)七不思議の3番となったミツバ君は、ツカサ&七峰桜&夏彦チームに入ります。そこでミツバの歓迎パーティが行われるのですが、ツカサが連れてきたのが七不思議4番のシジマさんでした。

「美術室のシジマさん」は、生者を絵の中に閉じ込めてしまう怪異です。

シジマさんの絵の中では、その絵の主人公の願いが反映された世界が舞台となるそうです。

主人公が「こんな舞台にして!」と言う訳ではなく、心の底で願っていることが絵に反映されるみたいですね。

今回は、ミツバだけではなく花子くんも合わせ、2人が主人公の世界でした

MARU

なんで花子くんも含まれてるの?

花子くん達が絵の中に引き込まれるシーンの描写は無いのですが、おそらくツカサが無理やり4人(花子くん・ヤシロ・光・ミツバ)を絵の中に押し込んだんだと思います。

興味があることは何でも試したくなってしまうのがツカサ君なので、あまね(花子くん)に楽しんでほしいという気持ちだけで、花子くんも一緒に絵の中に閉じ込めたのはないでしょうか。

絵の世界から出る条件=ツカサを殺した時に似ている

シジマさんの絵の世界から現実に出る条件はただ一つ。それは「主人公のミツバ・あまねを殺す事」でした。

一緒に絵の中に閉じ込められたヤシロと光にとっては、ミツバとあまねは大事な存在で殺せるハズがありません。(そもそも、面識のない他人であっても殺すことはできませんよね。)

なんだかこの状況、生前の花子くんこと柚木あまねが、弟のツカサを殺してしまった時の状況に似ていると思いました。

  1. ツカサはあまねにとって、大事な存在
  2. ツカサが4才の時、偽物と入れ替わっている可能性は高い (単行本16巻より)

そうなると、1はヤシロや光にとっての、あまねとミツバ。2はミツバに似た状況なのではないでしょうか。

エシラゴトで出てくるミツバは本物ではなく、怪異の寄せ集めにミツバの理性を埋め込んで作った別物

あまねがツカサを殺した状況を想像してみたのですが、たとえツカサが偽物だとしても、あまねはツカサを殺せなかったんじゃないかな…と思うんですよね。

じゃあなぜ殺したの?となると想像力が追いつかないのですが、少なくともあまねはツカサが憎くて殺したわけではないのかな…。もしかしたら怪異があまねに乗り移り、ツカサを殺してしまったんじゃないのかなと思いました。

(柚木家は一家心中?と言われているのに、あまねが殺したのは弟だけ…と言っているのも引っかかります)

シジマさんと四島さんのやり取りを〇〇にすると面白い

怪異であるシジマさんは、生前のシジマさんこと「四島メイ」が作り出した希望でした。

生前の四島メイちゃんは美術大学への進学を目指しており、メイちゃんの両親も応援していました。

しかし病気により、大学に進学する前に死んでしまいます。最期に描き上げた塔の絵にはアトリエがあり、そこでは理想の自分が好きに絵を描いている…その夢が作り出したのがシジマさんだったのです。

しかし、噂によって「シジマさんは美大への進学を反対され、自殺してしまった」と事実をねじ曲げられてしまいます。

シジマさんは四島さんを守ろうとした

怪異のシジマさんは、ウソの噂ができてしまったのは塔の絵ができてしまったせいだ。塔の絵ができる前に四島メイを殺してしまえば、ウソの噂が立つことも無い。そう思い、シジマさんは四島メイを”守るため”に殺そうとします。しかし、生前の四島メイちゃんはウソの噂など気にせず、最期まで生きて絵を描いていたいと願っています

花子くんもヤシロを守ろうとした

なぜ、花子くん自分を絵の中に閉じ込めておくんだろう…?

その答えは、シジマさん達のやり取りにありました。

「あなたを守るために殺す」というシジマさんの事を、四島メイちゃんは「あなたって私の事すごく好きみたいですね」と理解します。

シジマさんと四島メイちゃんのやり取りを見たヤシロは、花子くんも同じ気持ちなのではないかと気づきます。

シジマさん花子くん
行動四島メイを殺すヤシロを絵に閉じ込める
理由自分の存在を消す絵の中だと死なない
本当の願い(嘘の噂から)守りたいちゃんと生きてほしい

良かれと思ってやった事は、必ずしも相手が願っていることとは一致しない。けど相手のことが大切であるほど、先走ってやってしまうよね…と、しみじみ思ってしまいました。

そして最後では、シジマさんと四島メイ・花子くんとヤシロは互いの気持ちを伝えて理解しあうことができました。めでたしめでたし。

そういえば、シジマさんの願いは「生前の四島メイに会いたい」でした。その願いを叶えたツカサは「代償は1つ」と言っていました。

結局、ツカサはシジマさんからどんな代償を請求したのでしょうか?

ツカサ→シジマさんの願いの代償は?

エソラゴト編が終わった後、ツカサがシジマさんのもとを訪れます。

シジマさんは、七不思議の席は譲ったので差し出せる代償があまり無いと答えます。それに対し、ツカサは怪しげな笑みを浮べるだけで続きが書かれていません。

MARU

ツカサ君、またエグい代償を請求してない?!

絵を描いてくれたことが代償

ミツバの時は、願いを叶えた後で「理性」を奪っていました。しかし、シジマさんには代償を請求していないんじゃ無いかな…と思っています。

というのも、後に七不思議が集まって会議するシーンがあるのですが、シジマさんの様子は変わらず普通でした。

シジマさんが絵の世界を描いてくれたことで、怪異であるミツバと花子くんの願いが少しでも叶った。だからそれが代償でOK!ということなのだと思います。

ツカサ自身も、花子くんと一緒に学生ライフを楽しむ事ができたし、大好きなあまね(花子くん)の願いを叶える事ができて満足しちゃったのではないでしょうか。

ツカサは子供っぽくて悪い事もするけど、優しい面もあるような感じがするんですよね…。

MARU

そう思いたい。

▶︎花子くんの考察をもっと読む

次は考察ではないのですが、エソラゴト編で見つけた事を今後の考察のためにメモしました。

エソラゴト編メモ

考察までには至らなかった事や、エソラゴト編についてのメモを残しています。

エソラゴトその10の扉絵はフレンチマリーゴールド?

第50の怪「エソラゴト 其の10」の扉絵は、目を閉じて花束を持つ寧々と、寧々を背後から抱きしめてこちらを怪しく見るあまね。

とても印象的な扉絵ですが、描かれている花はフレンチマリーゴールドではないかと思われます。

最初はカーネーション?と思ったのですが、葉っぱがギザギザしているのでカーネーションではないでしょう。

フレンチマリーゴールドには様々な花言葉がありますが、「いつもそばに置いて」が有名です。

「エソラゴト 其の10」の内容をみると、絵空事の世界から元の世界に戻る方法を知りそうな寧々を、あまね(花子くん)が眠らせてしまいます。

もうすぐ寿命がきてしまう寧々だけど、絵空事の世界でならずっと生きていられる。

まさに「いつもそばに置いておける」という意味なのでは…と思いました。

シジマさんが死んだ年

11巻の53話にて、シジマさんが高校3年生だった時の学生証に「昭和58年」と書かれていました。

昭和58年は西暦にすると1983年になります。ヤシロ達が生きている世界が2014年くらいなので、30年前ほど前に四島メイちゃんは病死し、美術室のシジマさんとなったみたいですね。

ちなみに花子くんは1969年に亡くなっているので、怪異としては花子くんの方がシジマさんより24年ほど先輩みたいですね。

ということは、シジマさんを4番の席に任命したのは花子くんである可能性が高いです。

この暦設定がヒントになるのかは分かりませんが、メモとして置いておきます^^

ヨマイゴトとは?

エソラゴト編は、そのタイトルも気になります。

エソラゴト/キレイゴト/ネガイゴト/カクシゴト/ヒトリゴト/ヨマイゴト/夢の終わり

その中で気になったのが「ヨマイゴト」です。

MARU

ヨマイゴトって、何だ??

調べてみると、ヨマイゴトは世迷言と書き「言っても仕方のない不平や愚痴」の事をいうんだとか。

ヨマイゴト編の中身は、ツカサの手によってシジマさんが生前の四島メイに合い、殺そうとするところから始まります。

最終的には互いに理解しあい、別れます。その光景を見たヤシロは、花子くんに会いにいく事を決めます。

・虚構なんてくだらない
・未来を信じても望む未来はこない
・怪異と生者がわかりあうことはない

そのような諦めを、シジマさんの世迷言としてあげているのでは?と思いました。

天体観測の時にあまねが言った内容

あまね君がヤシロと天体観測をしている時、さそり座の赤色巨星アンタレスついて説明していました。

  • 一等星で双子の星
  • 光が強すぎて傍の伴星が見えない
  • 今見えている光は600年以上前のもの
  • 本当のアンタレスは消滅しているのかも

双子…と聞くと、あまねとツカサを連想させますね。

さらにアンタレスはサソリ座の心臓とも呼ばれており、もともと心臓(循環機能) が弱かった花子くんを連想してしまいます。

そして、こんなにも星の知識について詳しい柚木あまね君。花子くんの時には、星についての説明を一切しませんよね。花子くんは「柚木あまね」を封印しているのでしょうか。

エソラゴト編と「銀河鉄道の夜」の関係性

エソラゴト編を読んでいると、小さい頃に読んだ宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を、ふと思い出したんですよね。

気になって読み返してみたら、何と無く繋がりがあるような記述がありました。

「銀河鉄道の夜」は、主人公ジョバンニと友人のカムパネルラが銀河鉄道に乗って冒険をするお話なのですが、

  • 実は友人カムパネルラは死んでいた
  • さそり座の話が出てくる

この辺が、絵空事編に共通しているような感じがぼんやりとするんですよね。

特にさそり座の話なのですが、普くんがさそり座の赤色巨星「アンタレス」について解説してましたよね。

銀河鉄道の夜では、アンタレスの赤い光=サソリが焼けて死んだ火と説明しています。

サソリはイタチに命を狙われ、井戸に落ちてしまうんです。

今まで生きる為に他の命をとった私が、命を狙われると思ったときに逃げて井戸に落ちてしまった。
神様お願いです。次はみんなの幸せのためにこの体をお使いください。

するとサソリの体は真っ赤に燃え、闇を照らすようになりました…。

という内容なのですが、どうですか?

花子くんのストーリーに繋がりそうな感じがしませんか?

その後、柚木あまねの生家は通称「赤い家」と呼ばれていますし、赤い家の中には井戸もあるんですよね。

赤い家で出会った4才の司くんは、最後には炎に包まれて消えて行くのも…さそり座の話のような気がしてきます。

著:賢治, 宮沢
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エソラゴト編は楽しく、綺麗で切ない回だった

いつも飄々として本音を見せない花子くんですが、エソラゴト編では生き生きしていましたね。

絵の世界では、主人公である花子くんが、口に出さずとも心で願っていることが反映されています。

・ヤシロと同級生ライフを送りたい
・ヤシロと映画館デートしたい
・ヤシロと天体観測をしたい
・月に行きたい

ヤシロと一緒にいたい、と願う花子くんの気持ちがすごく伝わりますね。

しかし、都合の良い世界というのは、花子くんが一番嫌いとするものでした。

怪異は変にあきらめが良く、手の届くもので「これしか無いんだ」と満足してしまっている。でもそれは、彼らが本当に欲しいものでは無い。

光君が怪異について語っていた内容に、とても考えさせられました。

個人的には、怪異=大人になった自分に重ねてしまいました。

自分が本当に願っているものって何だろう?もうダメだ、今の方法でしか生きられないんだ…と思って、諦めてはいないかな。と思わされる回でした。

そして怪異とか生者とか関係なく、みんなが大切な誰かを守ろうとする姿に感動した人は多いのではないでしょうか。

私は子供がいるのですが、子供のために良かれと思ってやっている事と、子供が本当に願っている事は違っているのかもしれませんね

ちゃんと伝え合って生きていたい、そう思いました。

MARU

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

最新巻はこちら↓

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この記事を書いた人

MARUのアバター MARU 元・化学者

化学・ステッパー・家が好きです。化学系の大学院を卒業後、印刷業界の研究員として働いていました。ダイエットは68→50Kg成功。「家に引きこもりながら健康になる」をモットーに、役立つ情報を発信しています。

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