アニメ「地縛少年花子くん」のエンディングについて、調べたり、考察したりしました。
赤・白・黒のみでシンプルに描かれたエンディングですが、アニメーションは意味深なものが散りばめられていますね。
赤はあの世、白はこの世を表している?
赤い世界▶︎あの世 (彼岸)
白い世界▶︎この世 (此岸)
エンディングを見て多くの人が気づいたと思います。
ヤシロが歩くと白い影ができており、他のアオイちゃん達には影ができていません。
一方で飴を持つモッケは、白い影はこの世では見えず、飴だけが移動しています。この事から、ヤシロにだけある白い影は寿命はもうすぐで、あの世に近い存在である事を暗示していると思われます。
さらに黒い世界になった時、ヤシロの白い影は黒いサカナの形へと変わります。
この事から、黒=呪いを表しているのかもしれません。
茜くんも原作では1番と契約していますが、アニメではその事に触れられていないため、黒い影は写っていないと思われます。
左からツカサ・右からあまねが歩いてくるシーン
お次は上下の色が反転します。(上があの世の赤・下がこの世の白)
そして色が反転後、下は黒い世界になります。
赤い世界には、黒い姿で半分ずつの影。
黒い世界に映るのは1つの赤い魂…。そして黒い世界の両側には、赤い花が咲きます。
赤い花はアオイの花…?
2つの赤い花ですが、何の花なのかちょっと分かりずらいですよね…。
個人的には、この花はタチアオイなのではないかと思います。というのも、ヤシロや葵ちゃんが園芸部で使っている実習園で、タチアオイによく似た花が強調されているんですよ。
タチアオイはアオイ科の植物なので、もしかしたら葵ちゃんが植えたのかもしれませんね。
アオイの花について調べてみると、花子くんのストーリーと繋がりがありそうな事を見つけました。それが万葉集です。
梨 棗(なつめ) 黍(きみ)に 粟(あは)つぎ 延(は)ふ葛の後(のち)も逢はむと 葵花(あふひはな)咲く
アオイを「逢う日」に掛けたもので、言葉あそびのような歌なのですが、その意味は
季節を経て果物や作物が次から次へと収穫の日を迎えているのに、長い間愛しい人に逢えないでいる。でも葛の蔓先が長く這うように、長い日を経た後でも、きっと逢えるよと葵(あふひ)の花が咲いています。
「万葉集遊楽」より引用
50年という時を超えて、花子くんとヤシロが出会えた…という状況をアオイの花で表しているとしたら、悲しいくらい素敵なエピソードになるのではないでしょうか。
また、タチアオイのてっぺんの花が咲くと梅雨が明ける、というエピソードもあります。花子くんや弟のツカサが亡くなったのが7月下旬なので、ちょうど梅雨明けの時期ですね。そう考えると2人が亡くなった時も、タチアオイの花が咲いていたのではないでしょうか。
動けない2人が表しているもの
画面の中心で歩きながらも止まっている花子くんとツカサ。これは地縛霊として、学園にとどまっている事を表しているのかもしれませんね。
生前の花子くんこと、柚木あまね君が「もうどこにも行かないって決めたから」と言っている事にも引っ掛けているのかも?
そして黒い海に映るのは、赤い魂が1つだけ…。これはまだ解読できず^^;
花子くんとツカサの影が半分ずつになっているので、2つの魂も半分ずつになった結果、1つに見えてるだけなのかもしれません。
ミツバは光と出会ってカメラに…
次に登場するのが、光とミツバ。
この世にいる光とミツバが出会った瞬間、ミツバの姿が消える代わりにカメラの白い影が浮かびます。
これはカガミジゴクのミツバと、本当のミツバ君は別物であり、本物のミツバ君はもうこの世にもあの世にもいない…という事を表しているのではないでしょうか。
赤い世界に沈んでいくヤシロ
そして、この世を歩くヤシロと、あの世を歩く花子君が出会った瞬間、ヤシロはあの世へと沈んでいきます。そして魚の姿に変わっていくヤシロは、花子君の手によってこの世へと送り出されます。
このシーンは、寿命が尽きてしまうヤシロの事を、花子くんが助けた。という意味になりそうです。
そして、この世に送り出されたヤシロは、魚の姿のまま太陽のように輝く月まで届き、雲ができて赤い雨が降る…終了。
この世で生を全うしたヤシロは大往生し、その魂があの世に行く…そこでまた、花子くんに会えるのかもしれません。
4話と7話だけ出だしが違う
花子くんのほとんどの回で、エンディングはヤシロが歩き始める場面から始まりますよね。
しかし、エピソード4話と7話の時だけは少し違います。
編集の関係かもしれませんが、4・7話のエンディングは最初から流れてるんですよね。
はじまりは太陽のように光る三日月の下に雲ができ、赤い雨を降らせます。赤い雨は溜まってながれ、川になり…そして、いつものエンディングが始まります。
エンディングの最後も同じように雲ができて雨が降リます。
あれ?このエンディング…なんだかループしてそう…!!
もしかすると、輪廻転生をイメージしているのかもしれません。
先ほどのアオイの和歌も含めると、ヤシロと花子くんは今は結ばれないけれど、輪廻転生で巡り巡って再会し幸せになる…というラストを迎えるのかな…という予想を感じさせるエンディングでした。
鳥と魚のシーンが謎に包まれている…
エンディングの最後らへんに出てくるのが、左右にある鳥と魚。
左側は、鳥と魚が向かい合っています。
対して右側は鳥と魚が背を向けており、鳥がひっくり返っているようで不自然に見えます。
この「向き」についてはまだ考察できていないのですが、魚と鳥はキリスト教の中で
魚▶︎復活
鳥▶︎消滅
という意味を含んでいるのだそうです。
この魚と鳥も、輪廻転生をイメージさせるために用いているのかもしれません。
花子くんのエンディングはとても意味深
花子くんのエンディングは、赤白黒のシンプルな世界の中に色んな意味を持たせています。
また、エンディングを歌っているのはヤシロの声を担当している鬼頭明里さんで、「Tiny light」という曲です。
鬼頭さんめっちゃ可愛い!
Tiny Lightの歌詞ですが、これはもしかしたら花子くんの気持ちを歌ったものなのかな?と思ったりしました。
1番の歌詞だけ引用させて頂きます。
優しさに触れて 残る温度
消えないまま 愛しいと言えたら
心は軽くなるかな
閉ざした扉の向こうでかすかな声が聴こえてる
踏み出すことさえも出来ないから
孤独に寄り添ってる
まだ この胸の中 生きづいたまま小さな灯し火のような想いを
風に吹かれぬように
雨に濡れないように ずっと
抱きしめていた
ただ 真っ直ぐなまま 願う強さも泣き出しそうになる 脆い自分も
君が居なきゃ 知らなかったんだよ
偶然の中で 運命を見つけた
とくに1番の最後「ただ真っ直ぐな〜運命を見つけた」の部分は、もしかすると原作の夏灯り編で、小学生の花子くんとヤシロが出会った時のことを書いているんじゃないのか…と妄想してました^^
そうすると、小学生の頃からずっとヤシロへの想いを消えないように守ってきた花子くん…という切ない歌詞になりますね。
以上、花子くんアニメのエンディングについての考察でした!
あなたの考察もあれば、ぜひコメントで教えてください!